【物理】様々な運動:万有引力
皆さん、こんにちは!今回は、宇宙規模の壮大なテーマである「万有引力」について学んでいきましょう。
「宇宙の話なんて難しそう…」と思うかもしれませんが、実はこれまでの「円運動」や「エネルギー保存の法則」の知識がそのまま使えます。リンゴが落ちるのも、月が地球の周りを回るのも、すべて同じルールで説明できるのがこの分野の面白いところです!
最初は少し計算が複雑に見えるかもしれませんが、ポイントを押さえれば大丈夫です。一緒に宇宙の法則をマスターしましょう!
---1. ケプラーの法則
惑星が太陽の周りをどのように運動しているか、ケプラーという科学者が3つの法則にまとめました。これが万有引力を理解するための第一歩です。
第1法則(楕円軌道の法則)
惑星は、太陽を1つの焦点とする楕円軌道上を運動しています。
※「円」ではなく「楕円」であるところがポイントです!
第2法則(面積速度一定の法則)
惑星と太陽を結ぶ線分が、単位時間(一定時間)に通過する面積(面積速度)は、常に一定です。
つまり、太陽に近いときは速く、遠いときはゆっくり動くということです。
第3法則(調和の法則)
惑星の公転周期 \(T\) の2乗と、楕円軌道の半長軸(平均半径) \(a\) の3乗の比は、すべての惑星で一定になります。
公式: \(\frac{T^2}{a^3} = k\) (一定)
ケプラーの法則は、太陽系の惑星だけでなく、地球の周りを回る人工衛星などにも当てはめることができます。
2. 万有引力の法則
ニュートンは、ケプラーの法則をもとに「質量を持つすべての物体の間には、引き合う力が働いている」と考えました。
万有引力の式
質量 \(M\) と質量 \(m\) の2つの物体が、距離 \(r\) だけ離れているとき、その間に働く力 \(F\) は次のようになります。
公式: \(F = G \frac{Mm}{r^2}\)
ここで、 \(G\) は万有引力定数(非常に小さな値)です。
- 距離の2乗に反比例する(離れるほど急激に弱くなる)。
- お互いの質量の積に比例する(重いものほど強く引き合う)。
距離を \(r\) ではなく、うっかり \(2r\) や \(r^2\) を忘れて計算してしまうことがあります。公式の分母が「距離の2乗」であることを常に意識しましょう!
3. 万有引力による位置エネルギー
これまでは地上付近の重力による位置エネルギー \(mgh\) を使ってきましたが、宇宙規模(距離が大きく変わる場合)では別の式を使います。
位置エネルギーの定義
公式: \(U = -G \frac{Mm}{r}\)
「なぜマイナスがつくの?」と疑問に思うかもしれませんね。これは、「無限に遠い場所( \(r = \infty\) )をエネルギーの基準(0)」と決めているからです。物体は引き合っているため、無限遠から近づくほどエネルギーは減少(マイナスが大きく)していきます。
地上付近での位置エネルギー \(mgh\) は、実はこの万有引力の式を近似して導き出したものです。宇宙の式の方が「親玉」なんですね。
4. 万有引力による物体の運動
人工衛星や惑星の運動を考えるときは、「万有引力が向心力(円運動の力)の役割を果たす」と考えます。
第一宇宙速度(人工衛星になるための速さ)
地球の表面すれすれを円運動するために必要な速さ \(v_1\) です。
地球の質量を \(M\)、半径を \(R\) とすると、運動方程式は次のようになります。
\(m \frac{v_1^2}{R} = G \frac{Mm}{R^2}\)
これを解くと: \(v_1 = \sqrt{\frac{GM}{R}}\) (約 7.9 km/s)
第二宇宙速度(脱出速度)
地球の重力を振り切って、無限の彼方へ飛んでいくために必要な最小の初速度 \(v_2\) です。これは力学的エネルギー保存の法則を使って求めます。
(地表でのエネルギー)=(無限遠でのエネルギー 0)
\(\frac{1}{2} m v_2^2 + \left( -G \frac{Mm}{R} \right) = 0\)
これを解くと: \(v_2 = \sqrt{\frac{2GM}{R}} = \sqrt{2} v_1\) (約 11.2 km/s)
・円運動なら「運動方程式( \(ma = F\) )」
・速さの変化や脱出を考えるなら「エネルギー保存の法則」
この使い分けが共通テスト攻略のカギです!
まとめ:万有引力攻略の3ステップ
- ケプラーの法則で、周期と半径の関係(第3法則)を確認する。
- 万有引力の公式 \(F = G \frac{Mm}{r^2}\) を正しく書けるようにする。
- 位置エネルギーのマイナスを忘れずに、エネルギー保存の式を立てる。
最初はスケールが大きくて戸惑うかもしれませんが、基本はこれまでの「運動」のルールと同じです。何度も公式を書いて、図を描きながらイメージを膨らませてみてくださいね。応援しています!