N4 内容理解(短文): メモ・Eメール・短い文章
N4の読解短文は、100〜200字程度の文章×3題となり、それぞれに1問ずつ質問が付きます。文章の内容は、実用的なメモや短いEメール、学習や生活、仕事に関する短いエッセイです。N5で学んだ手法(質問を先に読む → 全体を読む → 根拠となる文を探す → 消去法で絞る)をそのまま活用できます。N4で新しく重要になるのは、文法が根拠となる問題です。解答の鍵は「てあげる/てもらう」による動作の方向、「ことになった」という決定、「たら」による条件分岐、受身形などのN4文法が握っています。この章では、N4の長さに対応できるよう手法を再整理します。
1. N4問題のパターン
| パターン | 例 | 根拠となるシグナル |
|---|---|---|
| 読者は何をしなければならないか | このメモを読んだ人は、何をしなければなりませんか。 | メモの中の「〜てください」「〜てもらえますか」 |
| 筆者は何をするか | この人はこれから何をしますか。 | 〜(よ)うと思う、〜予定だ、〜ことにした |
| 理由 | どうして〜のですか。 | から、ので、〜て(理由) |
| 指示語の意味 | 「それ」は何ですか。 | 直前の文 |
2. 練習問題 1: 職場でのメモ
山田さん
おつかれさまです。会議の資料を机の上に置いておきました。読んで、意見をメールで送ってもらえますか。あしたの昼までにお願いします。それから、鈴木さんにも資料をわたしてください。私は今日、早く帰らせてもらいます。
田中
質問: 山田さんは、あしたの昼までに何をしなければなりませんか。
① 資料を机に置く ② 意見をメールで送る ③ 鈴木さんに会議で会う ④ 早く帰る
解説: 締め切りの「あしたの昼までに」が、依頼を表す「意見をメールで送ってもらえますか」にかかっているため、答えは②です。①は田中さんが既に行ったこと(置いておきました — 事前準備の「ておく」!)です。④は田中さんの予定(帰らせてもらいます — 使役の「〜させてもらう」)。③は「わたしてください」を「会議で会う」と誤解させる選択肢です。すべての選択肢がN4の文法ポイントを巧みに隠して作られています。だからこそ、読解対策には文法の知識が不可欠なのです。
3. 練習問題 2: 短いエッセイ
私は先月から日本の会社で働いています。仕事は大変ですが、会社の人はみんな親切です。昨日は、私が漢字が読めなくて困っていたら、となりの席の佐藤さんが読み方を教えてくれました。日本語がもっと上手になったら、今度は私が新しい人を助けてあげたいです。
質問: この人は、これからどうしたいと思っていますか。
① 佐藤さんに漢字を教えたい ② 新しい会社で働きたい ③ 新しく来た人を助けたい ④ 日本語の学校に行きたい
解説: 「これからしたいこと」は最後の文にあります。「私が新しい人を助けてあげたい」とあるため、答えは③です。①は親切の方向が逆です(佐藤さんが教えてくれた — 佐藤さんが私に)。授受表現の「誰が誰に」を正確に読み取ることが読解のポイントです。「上手になったら」という条件文に惑わされず、その後の希望を表す「〜たい」に注目しましょう。④のような学校へ行く計画は文章中にありません。
4. 根拠となるN4文法
- ておきました = 前もって済ませた → 「しなければならないこと」という選択肢を消す根拠。
- てくれた/てもらった/てあげたい = 授受表現の方向。問題ではこれらを入れ替えてひっかけを作ります。
- ことになりました = (状況によって)決まった(お知らせ)/ことにしました = 自分の決定。
- 〜たら、〜 = 順序や条件:条件の後に来るものが「次の行動」になります。
- 受身形: 先生にほめられました — 「誰がしたのか」と「誰が主語か」を整理しましょう。「誰がやったか」を問う問題の根拠になります。
- までに(期限)とまで(継続期間) — このセクションで最も注意すべき、一文字違いの文法です。
5. 手法とペース配分
- 先に質問を読み、パターンを分類する。
- 全体を一度読む(200字程度なら約40秒)。依頼、期限、授受動詞に印をつける。
- 根拠となる箇所を特定する。「誰が」行動するのかを確認する(メモでは筆者と読者で主語が入れ替わるため注意!)。
- 「誰が」「いつ」「どちらの方向か」を基準に消去法で絞る。1題あたり約3分、計3題で9分を目安にする。
まとめ・重要なポイント
- N4の短文読解は、メモ・Eメール・短いエッセイ(100〜200字)の計3題。N5の手法+N4の文法知識で解く。
- 選択肢のひっかけは文法に基づいている:ておいた(完了)、てくれる/てあげる(方向)、させてもらう(筆者の予定)。
- メモにおいて、「〜てください」は読者の行動、「〜します/ました」は筆者の行動。主語の入れ替わりに注意すること。
- 「までに」という期限が「しなければならないこと」を探す目印。希望を問う質問は、文末近くの「〜たい/あげたい」を探す。