第2章:コミュニケーションと情報デザイン
テーマ:情報デザインが人や社会に果たしている役割
みなさん、こんにちは!「情報デザイン」と聞くと、「絵を描くこと?」や「オシャレなポスターを作ること?」と思うかもしれません。もちろんそれも含まれますが、授業で扱う「情報デザイン」の本質は、「情報を整理して、相手に分かりやすく伝えるための工夫」のことです。
今回は、情報デザインが私たちの生活や社会の中で、どのような役割を果たしているのかを一緒に学んでいきましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、身近な例をたくさん紹介するので大丈夫ですよ!
1. 情報デザインの目的ってなに?
情報デザインの最大の目的は、「情報の受け手が、迷わずに、正しく内容を理解できるようにすること」です。私たちの周りには膨大な情報があふれています。その中から必要な情報をすぐに見つけ出し、スムーズに行動できるように助けてくれるのが、情報デザインの役割です。
ポイント
情報デザイン = 見た目を整えるだけでなく、「情報の意味を整理して伝える」こと。
例えば、駅にある路線図を思い出してみてください。実際の線路はもっと複雑に曲がっていますが、路線図では直線やきれいなカーブで描かれていますよね?これは、利用者が「どの駅で乗り換えればいいか」を素早く理解できるように、あえて情報を整理(デザイン)しているからなんです。
2. コンピュータを使いやすくする工夫
コンピュータやスマートフォンがこれほど普及したのは、情報デザインが「操作のしやすさ」を支えているからです。昔のコンピュータは文字だけで命令を入力していましたが、今は違いますね。
- アイコンの活用: ゴミ箱の形をした絵を見れば、「ここにファイルを捨てれば消去できる」と直感的にわかります。
- 直感的な操作: ボタンが立体的に見えれば「押せる」とわかりますし、進行状況を示すバー(プログレスバー)があれば「あと少しで終わるな」と安心できます。
このように、複雑な仕組みを意識させず、誰でも簡単に操作できるようにすることを「ユーザインタフェース(UI)の工夫」と呼んだりします。これも情報デザインの重要な役割です。
豆知識
スマートフォンの画面を指で「払う」動作(スワイプ)や「つまむ」動作(ピンチ)も、直感的に操作できるように設計された情報デザインの一種なんですよ!
3. すべての人に使いやすく(アクセシビリティ)
情報デザインには、年齢、障害の有無、使っている言語などに関係なく、「すべての人が同じように情報を利用できるようにする」という非常に大切な社会的役割があります。
ユニバーサルデザインの考え方
特定の人だけでなく、最初から「みんな」を対象にする設計のことです。身近なところでは、以下のような工夫があります。
- ピクトグラム(視覚記号): トイレのマークや非常口のマークは、言葉が通じない海外の人でも、文字が読めない子供でも意味がわかります。
- 色の組み合わせ(カラーバリエーション): 色覚の特性によって色の見え方は人それぞれです。色の違いだけでなく、模様をつけたり、明暗の差(コントラスト)をはっきりさせたりして、誰もが区別できるように工夫されています。
- 音声読み上げ: 目の不自由な方のために、Webサイトの内容を読み上げる機能に対応した情報の構造作りも、情報デザインの一部です。
よくある間違い
「オシャレでカッコいいデザイン = 良い情報デザイン」とは限りません!
例:文字が細くて色が薄いオシャレなメニュー表。
→ 見た目は良いかもしれませんが、お年寄りや目が悪い人には読みにくいですよね。これは情報デザインとしては「改善の余地あり」となります。
4. 社会のルールや安全を守る役割
情報デザインは、私たちの安全を守るためにも使われています。例えば、道路標識です。色や形で「止まれ(赤・逆三角形)」や「注意(黄・ひし形)」を瞬時に伝えることで、事故を防いでいます。
また、災害時の避難指示なども、情報デザインが適切でないと(例えば、文章が長すぎたり、どこを見ればいいかわからなかったりすると)、人の命に関わることがあります。情報を「正確に」「迅速に」伝えることは、社会を支える基盤なのです。
ポイント:情報デザインが果たしている3つの役割
1. 理解を助ける: 複雑な情報を整理してわかりやすくする。
2. 操作を助ける: コンピュータなどを簡単に使えるようにする。
3. 公平性を保つ: 年齢や障害に関わらず、誰でも情報にアクセスできるようにする。
まとめ:この章の振り返り
情報デザインは、単なる「飾り」ではありません。情報を整理し、構造化することで、人と人、人とモノ(コンピュータなど)、人と社会をつなぐ架け橋のような役割をしています。
これからは街中やスマホの画面を見るときに、「これはどんな工夫がされているのかな?」と少し意識してみるだけで、情報デザインの力がもっと身近に感じられるはずですよ!
※次の章では、具体的にどうやって情報をデザインしていくのか、その「考え方や方法」について詳しく学んでいきます。