関連会社(Associates)の世界へようこそ!
グループ会計の学習を進める中で、皆さんはすでに子会社(Subsidiaries)について学びましたね。親会社が「ボス」として完全に支配権を持っている会社のことです。では、ある程度の力は持っているけれど、完全な支配までは及ばない場合はどうなるのでしょうか?そこで登場するのが関連会社(Associates)です!
子会社を「自分の子供(すべて自分で決断を下せる)」だとすれば、関連会社は「ビジネスパートナーや親しい友人(意見は言えるけれど、相手を完全に支配はできない)」のようなものだと考えてみてください。この章では、こうした「ビジネス上の友好関係」を連結財務諸表にどのように反映させるかを学びます。
1. 関連会社とは具体的に何か?
関連会社とは、投資家が重要な影響力(Significant Influence)を持っている事業体のことです。子会社でも共同支配企業(ジョイント・ベンチャー)でもありません。
「重要な影響力」のルール
「重要な影響力」を持っているかどうかは、どうやって判断するのでしょうか?通常は、保有している株式の割合で決まります。
• 20%未満の場合:ただの投資家です(株式市場で少数の株を買うようなイメージ)。
• 20%〜50%の場合:重要な影響力を持っているとみなされます。これこそが関連会社です!
• 50%超の場合:支配(Control)を持っていることになります。これは子会社です。
豆知識:保有割合が15%であっても、取締役会に席を持っていたり、会社の重要な方針決定に参加していたりすれば、重要な影響力を持っている可能性があります。ただし、財務会計(FA)の試験対策としては、まずは「20%〜50%」の範囲に注目してください!
重要ポイント:重要な影響力=財務および営業の方針決定に参加する権限はあるが、それを支配する権限はない状態。
2. 関連会社の会計処理:持分法(Equity Method)
子会社を扱う際は、資産や負債をすべて合算する「ライン・バイ・ライン(合算)」の連結を行いますが、関連会社の場合はもっとシンプルな持分法(Equity Method)という手法を使います。
例え話:友達がレモネードスタンドを始めたと想像してください。もしあなたがそのスタンドを所有(子会社)していたら、レモンの数から売上まで、すべて自分の帳簿に記録しますよね。でも、あなたはただの「パートナー(関連会社)」なので、相手のレモンの数まで記録する必要はありません。記録するのは、スタンドの価値と利益のうち、自分の取り分(持分)だけです。
連結財務諸表において、関連会社の資産や負債を一つずつ合算することはしません。その代わりに、すべてを「1行」で表示します。
3. 連結貸借対照表(CSOFP)
連結貸借対照表では、関連会社は非流動資産(Non-Current Assets)の下に「関連会社への投資(Investment in Associate)」という1行として表示されます。
「関連会社への投資」の計算方法:
難しそうに見えるかもしれませんが、心配はいりません。この「レシピ」通りに進めれば大丈夫です。
1. 投資額(Cost):親会社が最初に株式を購入した時の金額。
2. プラス:取得後の利益剰余金の持分(Share of Post-Acquisition Retained Earnings):(親会社の保有割合%)×(現在の関連会社の利益剰余金 - 取得時の関連会社の利益剰余金)。
3. マイナス:減損損失(Impairment losses):関連会社の価値が恒久的に下がった場合は、その損失分を差し引きます。
計算式:
\( \text{Investment in Associate} = \text{Cost} + [\% \times (\text{Closing Retained Earnings} - \text{Acquisition Retained Earnings})] - \text{Impairment} \)
暗記のヒント:SPAR
投資額に加えるものを覚えるにはSPARを思い出しましょう。
Share of Post-Acquisition Retained earnings(取得後の利益剰余金の持分)。
重要ポイント:私たちが気にするのは、私たちが関わり始めた「後」にその関連会社が上げた利益だけです。私たちが来る前に稼いだ利益は、私たちの取り分ではありません!
4. 連結損益計算書(CSPL)
貸借対照表と同じく、関連会社の売上や費用を親会社の数値に合算することはしません。その代わり、連結損益計算書に1行だけ追加します。
どこに表示するのか?
通常は「税引前利益」の直前に表示され、「持分法による投資損益(Share of Profit of Associate)」という名前で記載されます。
計算方法:
\( \text{Associate's Profit After Tax} \times \text{Parent's \% Share} \)
(注意:もしその年に減損があった場合は、この金額から差し引いてください。)
例:
関連会社が当期に10,000ドルの利益を上げ、親会社が30%を保有している場合、親会社は \( 10,000 \times 30\% = 3,000 \) ドルを「持分法による投資損益」として記録します。
5. よくある間違い
優秀な学生でも引っかかりやすいポイントがいくつかあります。「ワナ」に注意しましょう!
1. 連結の合算:関連会社の資産や収益を親会社の数値に絶対に合算しないでください。「1行」だけの関係です!
2. 取得前の利益:取得した日「後」に発生した利益のみを反映させてください。
3. 配当金:連結会計では、関連会社から受け取った配当金は無視します。なぜなら、「持分法による投資損益」ですでにその価値が反映されているからです。二重に計上してはいけません!
まとめチェックリスト
• 保有割合:20%〜50%ですか?(イエスなら関連会社です)。
• 連結貸借対照表:「投資額 + 取得後の利益の持分 - 減損」の式を使いましたか?
• 連結損益計算書:「持分法による投資損益」を1行だけ含めましたか?
• 手法:資産と負債を合算してしまっていませんか?(してはいけません!)
練習を続けましょう!「1行」のルールさえ掴めば、関連会社の計算は子会社よりもずっと早く終わるようになります。あなたなら絶対に大丈夫です!