【情報Ⅰ】第2章:コミュニケーションと情報デザイン
第4節:情報デザインの考え方と方法
こんにちは!この章では「情報デザイン」の具体的な考え方と、それを形にする方法について学びます。 「デザイン」と聞くと、「センスが必要なかっこいい絵を描くこと」と思うかもしれませんが、情報Ⅰで扱うデザインは少し違います。 それは、「情報を整理して、相手に分かりやすく伝えるための工夫」のことです。センスがなくても、ルールを知れば誰でもできるようになります。一緒に楽しく学んでいきましょう!
※なお、関連する「メディアの特性」や「画像のデジタル化」については、別の章で詳しく解説していますので、必要に応じて見直してみてくださいね。
1. 情報デザインの目的
情報デザインの最大の目的は、「情報を整理し、意図した通りに相手に伝えること」です。 そのためには、まず次の2つを明確にする必要があります。
① 誰に 伝えるのか?(ターゲット)
② 何を 伝えるのか?(目的)
例えば、小さな子供に「交通ルール」を教えるのと、大人に教えるのでは、使う言葉や図解の仕方が変わりますよね。これが情報デザインの出発点です。
【ポイント】情報の取捨選択
情報を分かりやすくするためには、すべての情報を詰め込むのではなく、「必要な情報だけを選び、不要なものを捨てる」ことがとても重要です。
2. 情報デザインの方法(抽象化と可視化)
複雑な情報を分かりやすく表現するための代表的な手法が「抽象化」と「可視化」です。
① 抽象化(ちゅうしょうか)
具体的なものから、重要な要素だけを抜き出して、それ以外を切り捨てることです。
例:ピクトグラム(絵文字)
トイレのマークや非常口のマークは、人間の細かな特徴(顔や服など)を捨てて、「人であること」と「行動」だけを強調しています。これにより、言葉が通じない相手にも一瞬で意味が伝わります。
② 可視化(かしじか)
目に見えない情報(数値や関係性など)を、図やグラフを使って目に見える形にすることです。
例:路線図
実際の線路は曲がりくねっていますが、路線図では「どの駅がどこにつながっているか」という関係性を重視して、直線やシンプルな曲線で表現されています。
【豆知識】構造化
情報をグループ分けしたり、順序立てて並べたりすることを「構造化」と呼びます。箇条書きにしたり、表にまとめたりすることも立派な情報デザインのひとつです。
3. すべての人に使いやすく(アクセシビリティとUD)
情報デザインでは、一部の人だけでなく、より多くの人が情報を受け取れるように配慮することが求められます。これをアクセシビリティ(情報の使いやすさ)の向上と言います。
ユニバーサルデザイン(UD)
年齢、障害の有無、言語などに関係なく、最初からすべての人にとって利用しやすいように設計する考え方です。
カラーユニバーサルデザイン
人によって色の見え方は異なる場合があります。特定の色の組み合わせ(赤と緑など)だけでは区別しにくい人のために、色のコントラストを強めたり、色だけでなく「形」や「文字」を併用したりして、情報を正しく伝える工夫です。
【よくある間違い】
「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」を混同しないようにしましょう!
・バリアフリー: 既にある障害(壁)を取り除くこと(例:段差にスロープをつける)。
・ユニバーサルデザイン: 最初から壁がないように設計すること(例:最初から段差のない平らな入り口にする)。
4. 情報デザインのプロセス(設計・評価・改善)
良い情報デザインは、一度作って終わりではありません。以下のサイクルを回すことが大切です。
1. 制作(表現):目的とターゲットに合わせて形にする。
2. 評価:実際に使ってもらい、「分かりにくいところはないか?」を確認する。
3. 改善:評価の結果をもとに、より分かりやすく修正する。
例えば、Webサイトを作った際、ボタンの位置が分かりにくくてクリックされなかった場合、その「評価」をもとにボタンの色や位置を「改善」します。この繰り返しが、効果的なコミュニケーションにつながります。
【ポイント】評価の方法
客観的な評価を行うために、アンケートをとったり、視線の動きを分析したり(アイトラッキング)、タスクを完了するまでの時間を測ったりする方法があります。
まとめ:この章の重要ポイント
・情報デザインは、「目的」と「相手」を明確にすることから始まる。
・「抽象化」(重要なところだけ残す)や「可視化」(図解する)を活用する。
・ユニバーサルデザインを意識し、誰にでも伝わる工夫(色・形・文字の併用)をする。
・作ったら必ず「評価」し、より良く「改善」する。
最初は「何を捨てればいいのか」迷うかもしれませんが、大丈夫です!「一番伝えたいことは何か?」を自分に問いかける癖をつければ、自然と情報デザインのスキルが身についていきますよ。頑張りましょう!