監査の「核心」へようこそ!
こんにちは!監査および保証(AA)のシラバスに沿って学習を進めてきた皆さんなら、証拠に関する「ルール」はすでに理解できているはずです。さあ、ここからはさらにエキサイティングなパート、「特定の項目に対する監査」に入ります。理論の話はここまでにして、財務諸表の数値を実際にどのように検証していくのか、具体的な手法を見ていきましょう。
監査人を「探偵」だと考えてみてください。経営陣が提示した「物語」(財務諸表)が真実かどうか、その証拠を見つけるのが皆さんの仕事です。最初は詳細が多くて難しく感じるかもしれませんが、大丈夫です。シンプルな論理を使って、項目ごとに分解して解説していきますね!
ちょっとした復習: この章では、実証手続(Substantive Procedures)に焦点を当てます。これは、財務諸表上の数値に「重要な虚偽表示」(大きな間違い)がないかを突き止めるために行う、実際のテストのことです。ここでは、次のような経営者アサーション(主張)を検証します。「それは本当に存在するのか?(実在性)」「会社はそれを所有しているのか?(権利と義務)」「計算は正しいのか?(精度/評価)」などです。
1. 棚卸資産の監査(倉庫のチェック)
棚卸資産は、膨大な数の在庫を数え、その価値を決定しなければならないため、最も「リスクが高い」項目の一つです。
棚卸立会(一大イベント)
監査人として、すべての在庫を自分で数えることは通常ありません。その代わり、クライアントのスタッフが行う棚卸の様子を観察(Observation)します。これにより、実在性を検証します。
• 棚卸前: クライアントの棚卸手順を確認します。整理は行き届いていますか?棚卸中に在庫が動かないよう、製造を停止する予定はありますか?
• 棚卸中: 「テストカウント」を実施します。
- 実地から記録へ: 倉庫内の実物を手に取り、棚卸リストに載っているか確認します(網羅性をチェック)。
- 記録から実地へ: リストにある項目を選び、実際に倉庫に行って実物があるか確認します(実在性をチェック)。
評価:それはいくらの価値があるか?
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額(NRV)のいずれか低い方で評価しなければなりません。
計算式:\( \text{NRV} = \text{見積販売価額} - \text{完成までの追加コスト} - \text{販売諸経費} \)
監査のコツ: 棚卸中に、ほこりをかぶった箱や損傷した商品がないか注意深く見てください。もし損傷していれば、そのNRVは原価よりも低くなっている可能性があり、帳簿価額を切り下げる必要があるかもしれません!
重要なポイント: 棚卸資産については、実際にそこに存在するか(実在性)と、正しく評価されているか(評価)が最も重要です。
2. 売上債権の監査(貸付金)
顧客から代金が未回収の場合、本当に支払われるのかをどうやって確認すればよいのでしょうか?
残高確認(「手紙」を使う方法)
売上債権をチェックする最良の方法は、顧客に直接問い合わせることです。これを外部照会(Circularisation)と呼びます。
1. 私たち(監査人)がサンプルとなる顧客を選びます。
2. クライアントに確認状を作成してもらいますが、郵送は私たち自身が行います。
3. 顧客からの返信はクライアントではなく、私たち(監査人)に直接届くようにします。こうすることで、クライアントが悪い情報を隠すのを防ぐことができます!
顧客から返信がない場合は?
慌てないで!返信がない場合は、代替的手段を用います。
• 期日後の入金の確認: 決算日以降に顧客から支払いはありましたか?1月に支払われていれば、12月時点でその債権が本物であった証明になります!
• 販売請求書や納品書を検査し、販売が実際にあったことを裏付けます。
豆知識: 決算日「後」の入金を確認することは、債権の評価に対する最も強力な証拠となります。実際に支払われたのであれば、その金額分は確実に価値があると言えますからね!
3. 現金預金の監査
現金は最も盗まれやすいため、監査人はこの項目に非常に慎重になります。
銀行確認状
クライアントの銀行に対して標準的な照会状を送付します。単に残高を確認するだけでなく、以下をチェックします。
• すべての銀行口座(クライアントが「忘れた」ふりをして隠している口座がないか)。
• 借入金や当座貸越の有無。
• 銀行が担保として保持している資産の有無。
銀行勘定調整表
「未決済の小切手」などの時間差により、会社の帳簿残高と銀行のステートメントが完全に一致することはほとんどありません。
手順:
1. 決算日の銀行勘定調整表を入手する。
2. 銀行の残高を銀行確認状と照合する。
3. 帳簿残高を総勘定元帳と照合する。
4. 再計算を行い、合計が合っているか確認する!
よくある間違い: 監査人は単に銀行の明細書を見ているだけだと思われがちですが、違います!私たちは調整表を見ます。なぜなら、それが銀行の記録と会社の記録の間のギャップ(差異)を説明してくれるものだからです。
4. 有形固定資産の監査(建物、車両、機械など)
有形固定資産は通常高額で、長期間ビジネスで使用されます。主な焦点は実在性と評価(減価償却)です。
有形固定資産の監査手続:
• 実査: 実際に現地に行って資産を見ます。その専門的な「ピザ釜」は本当にそこにありますか?シリアル番号を確認しましょう!
• 権利証書: 建物の場合、法的な文書を確認し、権利と義務(会社が実際に所有しているか)を証明します。
• 減価償却: 減価償却費を再計算します。耐用年数は妥当ですか?(もし10年落ちのバンがまだ帳簿価格のままで載っていたら、何かがおかしいですよね!)。
• 取得: 今期に新しい機械を購入した場合、購入請求書を見てコストを裏付けます。
たとえ話: 中古車を買うときを想像してみてください。実車を確認し(実在性)、車検証を見て(権利)、価格が妥当か確認しますよね(評価)。監査人が企業の資産に対して行うことと全く同じです!
5. 買掛金および未払費用の監査(支払うべきお金)
ここでのリスクは、資産とは異なります。経営陣は会社を健全に見せるために、借金を「隠したい」と思うかもしれません。そのため、私たちは網羅性に重点を置きます。
未記録負債の探索
これは監査の定番テストです!決算日以降に行われた支払いを調べます。
例: 決算日が12月31日の場合、1月に「12月に受け取った商品」に対して多額の支払いが行われていたら、その負債が12月の帳簿に記録されていたか確認します。記録されていなければ、網羅性に欠けています!
仕入先残高確認
仕入先から毎月「御社への請求額はX円です」という明細書が届きます。これと会社の「買掛金元帳」を照合します。もし仕入先の提示額の方が大きければ、なぜ差異があるのかを究明する必要があります。
覚え方のコツ: Assets(資産)についてはOverstatement(過大計上=存在するか)を懸念し、Liabilities(負債)についてはUnderstatement(過小計上=全て網羅されているか)を懸念します。「資産=そこにあるか?、負債=すべて記録されているか?」と覚えておきましょう!
学生のための要約チェックリスト
試験で監査手続を記述する際は、AEIOUという覚え方を使って行動を組み立ててみてください。
• Analytical Procedures(分析的手続:今期と前期を比較する)。
• Enquiry(質問:経営陣に問いかける)。
• Inspection(閲覧・実査:書類や実物をチェックする)。
• Observation(観察:棚卸など、業務プロセスを見る)。
• recalcUlation(再計算:数学的な計算をチェックする)。
最後のヒント: 常に具体的に書きましょう。「請求書をチェックする」だけでは不十分です。「資産の取得価額を裏付けるため、購入請求書と照合し、記録されたコストを確認する」のように書きます。具体性が得点につながりますよ!