はじめに:「説明・報告し合う」ってどんなこと?
みなさん、こんにちは!
小学校の生活では、理科や社会で調べたことや、自分たちの係の活動、生活の中で見つけたことなどを、クラスの友だちに発表するチャンスがたくさんありますね。
低学年のころにも、身近なことを紹介したり説明したりした経験があると思います。中学年(3年生・4年生)では、さらに一歩ステップアップして、「相手に分かりやすく伝わるように理由や例をあげて説明・報告すること」や、「メモを取りながら聞いて質問すること」を学んでいきます。
「みんなの前で話すのはちょっとはずかしいな…」「上手に説明できるかな?」とドキドキする人もいるかもしれません。でも、大丈夫です!順序立ててコツをおさえれば、だれでも相手にしっかり伝わる発表ができるようになりますよ。
ステップ1:話題を決めて、集めた情報を整理しよう
まずは、「何を説明・報告するか」という目的と話題を決めます。
たとえば、「学校図書館の使い方のひみつを報告しよう」「地域の安全マップについて説明しよう」といった目的をはっきりさせることがスタートです。
1. 情報を「くらべる」「グループに分ける」(比較と分類)
本や事典で調べたり、友だちや先生に質問して集めたりしたたくさんのメモを、そのまま順番なしに話してしまっては、聞いている人は何が大切なのか分からなくなってしまいます。
そこで大切になるのが、集めた材料をくらべたり(比較)、似たもの同士でグループに分けたり(分類)することです。
(例)
・昔の道具と今の道具のちがいをくらべる。
・見つけた生き物の特徴を「食べるもの」「すむ場所」ごとにグループに分ける。
【ポイント】
集めた情報をカードや付せんに書いてならべ替え、「にているところ」や「ちがうところ」を見つけると、頭の中がすっきり整理できます!辞書や事典で調べたときは、どこから見つけた情報か(本の名前など)も書き留めておきましょう。
ステップ2:話の「中心」が伝わる組み立てをつくろう
情報が整理できたら、次は話す順序(組み立て)を考えます。
中学年の国語でとても大切な合言葉は、「話の中心」と、それを支える「理由」や「事例(具体的な例)」です。
話の組み立ての3つの部分
① はじめ(話題と話の中心)
何について話すのか、いちばん伝えたいこと(中心)をズバッと伝えます。
例:「私たちが調べた『公園の使われ方』について報告します。いちばん伝えたいことは、時間によって利用する人がちがうということです。」
② なか(理由や具体的な事例)
「はじめ」で言った中心を、くわしく説明します。ここで「なぜなら(理由)」や「たとえば(事例)」を使います。
例:「理由は二つあります。一つ目に、午前中は小さな子どもとお年寄りが多く、ベンチですごしていました。二つ目に、放課後は小学生が集まり、遊具で元気よく遊んでいました。」
③ おわり(まとめと自分の考え)
最後に、もう一度話の中心をまとめ、調べたり考えたりして自分が思ったことを伝えます。
例:「このように、公園は時間帯によっていろいろな人に使われています。みんなが気持ちよく使えるように、使い方を工夫していきたいです。」
【よくある間違い】
調べたことをぜんぶ言おうとして、話の中心がどこにあるのか分からなくなってしまうことがあります。「いちばん伝えたいことは何かな?」と自分に問いかけて、関係のない話は思い切って省く勇気をもちましょう。
ステップ3:話し方の工夫(声の出し方と間の取り方)
話す内容が決まったら、いよいよ声に出して伝える練習です。
中学年では、ただ大きな声で話すだけでなく、聞き手が聞きやすくなる工夫を身につけましょう。
1. 相手の目を見て話す
原稿用紙ばかりを見つめて小さな声で読むと、聞いている人に気持ちが届きません。
ときどき顔を上げて、教室のいろいろな場所にいる友だちと目を合わせながら話しましょう。
2. 抑揚(よくよう)と強弱をつける
一本調子(ずっと同じ高さ・同じ強さ)で話すと、聞いている人は眠くなってしまいます。
・強弱:いちばん大切な言葉は、少し声を大きくしたり、はっきり発音したりします。
・抑揚:文の終わりまでしっかり声を届かせ、言葉の音の高低(上がり下がり)を意識します。
3. 「間(ま)」を取る
「間」とは、話の途中で一瞬息をとめて、音を出さない時間のことです。
「はじめ・なか・おわり」の変わり目や、特に注目してほしい大切な言葉の前に「一呼吸あける(1〜2秒止まる)」と、聞いている人は「おっ、ここが大事なんだな」としっかり理解することができます。
【豆知識】
「間」を取るのがこわくて早口になってしまうときは、心の中で「トン、トン」と2拍リズムを数えてから次の文を話し始めると、とても落ち着いて聞こえますよ!
ステップ4:聞き手の工夫(メモと質問)
「説明・報告し合う」活動では、聞く人の力も同じくらい大切です。上手な聞き手がいれば、話し手も安心して発表できます。
1. 記録(メモ)を取りながら聞く
話している人の言葉をぜんぶ書くのは大変です。次の2つのポイントにしぼってメモを取りましょう。
・話し手が伝えたい「中心(大切な言葉・キーワード)」
・中心を支える「理由」や「数字・例」
2. 質問をして考えを深める
発表が終わったら、分からなかったことや、もっと知りたいと思ったことを質問してみましょう。
例:「午前中とお年寄りの関係について質問です。どんなベンチの過ごし方をされていましたか?」
ただ聞くだけでなく、質問をして答えてもらうことで、お互いの理解がぐんと深まります。
3. 自分の考えをもつ
相手の発表を聞いたあと、「自分だったらどう考えるかな?」「自分の調べたことと似ているところはあるかな?」と、自分の考えと比べながら聞くことが大切です。
【よくある間違い】
友だちの発表を聞くときに、「ただ静かに座っているだけ」になっていませんか?
うなずきながら聞いたり、気になった言葉をさっとメモしたりすることで、頭の中に話の内容がしっかりと残ります。
ステップ5:グループや学級で話し合い、考えをまとめよう
報告や説明を聞いたあとは、グループや学級全体で話し合う場面があります。
司会などの役割を決めながら、発表から分かった「共通点(同じところ)」や「相違点(ちがうところ)」を見つけて、学級全体の考えをまとめていきましょう。
・友だちの意見に「なるほど、私の意見とここは同じだね」と共通点を見つける。
・「ここは少し考え方がちがうから、どうしてそう思ったのか聞いてみよう」と相違点を確かめる。
お互いの考えを認め合いながら言葉をつなぐことで、クラスみんなの学びが広がります。
まとめのチェック表
発表や報告をするとき・聞くときは、次のチェックポイントを思い出してみてください。
【話すときのチェック】
□ 話題の目的を意識し、材料をくらべたりグループに分けたりして選びましたか?
□ 「話の中心」と、それを支える「理由」や「事例(例)」を組み立てましたか?
□ 相手を見て、声の強弱や抑揚、間の取り方を工夫して話せましたか?
【聞くときのチェック】
□ 話し手の伝えたい「中心」をとらえながら、メモを取りましたか?
□ 疑問に思ったことやもっと知りたいことを、進んで質問できましたか?
□ 発表を聞いて、自分の考えをもつことができましたか?
最初はメモを見ながらでも、声が少し小さくなってしまっても大丈夫です。
何度も友だちと説明や報告をし合ううちに、自分の考えを自信をもって相手に届けることができるようになりますよ!