N4文法コース、パート2:て形活用、伝聞、星付き問題の攻略
パートBではN4のカタログを完成させます。て形拡張ファミリー(ておく、てみる、てしまう…)、推量のグループ(そうだ×2、ようだ、みたいだ、らしい、かもしれない)、時間・状態を表す言葉(ところ、たばかり、ながら、間に)、活用度の高い接尾辞ワークショップ(やすい/にくい、始める/出す/終わる/続ける、さ、まま)、初めての敬語、そしてN4版の文の組み立て(星付き問題)について学びます。
1. て形拡張ファミリー
| パターン | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 〜ておく | 準備しておく、そのままにしておく | 旅行の前に切符を買っておきます。 |
| 〜てみる | 試しに行う | 新しい料理を作ってみました。 |
| 〜てしまう/〜ちゃう | 完全に完了する、残念な結果・思わずしてしまう | 電車にかばんを忘れてしまった。/全部食べちゃった。 |
| 〜ていく | これから変化する、離れていく | これからも勉強していきます。 |
| 〜てくる | これまで変化してきた、行って戻ってくる、始まる | だんだん寒くなってきました。/ちょっと見てきます。 |
| 〜ていた | 〜していた(過去の状態) | 朝から雨が降っていた。 |
| 〜てある | 目的を持って行われ、その結果が残っている | 壁にポスターが貼ってあります。 |
| 〜ているところ | まさに〜している最中 | 今、昼ご飯を食べているところです。 |
| 〜て(理由) | 〜なので、〜だから(文中で) | 熱があって、学校を休みました。 |
| 〜ても | 〜であっても(逆接) | 雨が降っても、行きます。 |
| 〜てすみません/〜てよかった | 〜してすみません/〜してよかった | 遅れてすみません。/早く来てよかった。 |
| 〜てほしい | 他人に〜してほしい | もっとゆっくり話してほしいです。 |
試験でよく出る3つのアスペクトの対比:窓が開いている(状態:開いた状態である)、窓が開けてある(誰かが意図して開けた状態)、窓を開けておく(あらかじめ開けておく)。「ている」は状態描写、「てある」は意図した動作主の存在、「ておく」は準備を意味します。「てしまう」は完了(読んでしまった)と後悔(忘れてしまった)の2つの意味を持ち、文脈で判断します。
2. 推量のグループ:確信の度合いと根拠
| パターン | 推量の種類 | 例文 |
|---|---|---|
| ます形+そうだ(様態) | 〜そうだ(見た目、今にも起こりそう) | このケーキはおいしそうです。/雨が降りそうだ。 |
| 普通形+そうだ(伝聞) | 〜だそうだ(人から聞いた話) | 明日は雨だそうです。 |
| 〜ようだ | 証拠に基づく推量(フォーマル) | 田中さんはもう帰ったようです。 |
| 〜みたいだ | 「ようだ」と同じだがカジュアル。「〜のような」 | 今日は冬みたいに寒いね。 |
| 〜らしい | 間接的な情報、〜らしい特徴 | あの二人は結婚するらしいです。/男らしい人 |
| 〜かもしれない | 〜かもしれない(50%以下の可能性) | 午後は雪が降るかもしれない。 |
| 〜はずだ/はずがない | 論理的な期待/〜なはずがない | 彼はもう着いているはずです。 |
| 〜と思う | 〜と思う | 明日は晴れると思います。 |
| 〜かどうか | 〜かどうか | 行けるかどうか分かりません。 |
⚠ 「そうだ」の使い分けはN4の定番問題です。同じ言葉でも文法が異なります。おいしそうだ(見た目:語幹+そう)vs おいしいそうだ(伝聞:普通形+そう)。「い」があるかないかで決まります。見た目の否定:降りそうもない。形容詞の特殊形:いい→よさそう、ない→なさそう。
引用の表現:〜という〜(田中さんという人)、〜って(「という」のカジュアル版)、〜と言われている、〜と聞いた。
3. 時間の表現:いつなのか?
| パターン | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 辞書形+ところ | まさに〜するところ | これから出かけるところです。 |
| ている+ところ | 〜している最中 | 今、食べているところです。 |
| た+ところ | 〜したばかり | 今、駅に着いたところです。 |
| た+ばかり | 〜したばかり(少し時間が経過しても使える) | 日本に来たばかりです。 |
| 〜ながら | 〜しながら(同時に2つの動作) | 音楽を聞きながら勉強します。 |
| 間(あいだ) | その期間ずっと | 夏休みの間、国に帰っています。 |
| 間に(あいだに) | その期間の中のどこかで | 留守の間に電話がありました。 |
| 〜後で | 〜の後で | 仕事の後で飲みに行きましょう。 |
| 〜までに | 〜までに(期限) | 五時までにレポートを出してください。 |
| 〜予定だ | 〜する予定だ | 来月、大阪へ行く予定です。 |
「ところ」の3点セットは文法の接続テストです。辞書形/ている/た形で、これから/最中/直後を使い分けます。「間」と「間に」の違い:「ずっと」続く場合は「間」、「ある瞬間」の出来事には「間に」を使います。「間に」は瞬間的な動詞(電話があった)と、「間」は継続的な動詞(国へ帰っています)と相性が良いです。
4. 接尾辞ワークショップ
| パターン | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| ます形+やすい/にくい | 〜しやすい/〜しにくい | この字は読みやすい。/かたくて食べにくい。 |
| ます形+始める/出す | 〜し始める/急に〜しだす | 泣き始めた。/急に雨が降り出した。 |
| ます形+終わる/続ける | 〜し終わる/〜し続ける | 書き終わりました。/三時間走り続けた。 |
| 形容詞+さ | 〜さ(名詞化) | 富士山の高さ/この問題の難しさ |
| 〜くする/〜にする | 〜にする(変化させる) | 音を小さくしてください。/部屋をきれいにする。 |
| 〜たがる/〜がる | (第三者が)〜したがる/〜がる | 妹は犬を飼いたがっている。/弟はこわがっている。 |
| 〜まま | 〜したまま | エアコンをつけたまま寝てしまった。 |
| 〜がする | 五感(匂い、音、味) | 台所からいいにおいがする。 |
「出す」と「始める」のニュアンス:降り出すは突然または制御できないもの、降り始めるは中立的です。また、「たがる」の心理的ルール:日本語では他人の内面の感情を直接表現しません。「彼は〜したい」ではなく、「行きたがっている」とします(試験等では ×彼は行きたい は間違いとされます)。
5. 小さな言葉、大きな役割
| パターン | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 〜ばかり | 〜ばかり | 弟はゲームばかりしている。 |
| しか〜ない | 〜しか〜ない(否定形と一緒に!) | 財布に百円しかない。 |
| 数+も | 〜も(たくさん!) | コーヒーを五杯も飲んだ。 |
| 期間+に+回数 | 〜に〜回(頻度) | 週に三回ジムへ行きます。 |
| 〜おきに | 〜おきに(間隔) | 四時間おきに薬を飲む。 |
| 〜ごろ | 〜ごろ(時間) | 十一時ごろ寝ます。 |
| 〜とか〜とか/〜など | 例示 | パンとか果物とか食べます。 |
| 〜でも | 〜でも(提案) | お茶でも飲みませんか。 |
| 〜だけで | 〜だけで | 声を聞くだけで元気になる。 |
| 〜のに(逆接) | 〜のに(意外、不満) | 薬を飲んだのに、熱が下がらない。 |
| 〜のに(目的) | 〜のに(用途) | 野菜を切るのに便利です。 |
| 〜し、〜し | 〜し、〜し(理由の列挙) | 彼は親切だし、頭もいい。 |
| 〜場合は | 〜場合は | 雨の場合は中止です。 |
| 〜のは〜だ | 強調構文(…のは〜だ) | 来なかったのは田中さんです。 |
| 〜に見える/〜に気がつく | 〜に見える/〜に気がつく | 学生に見える。/間違いに気がついた。 |
「しか」と「だけ」:どちらも「only」ですが、「しか」は必ず否定形を伴い、「〜しかない」という「不足感」を含みます(百円しかない=悲しいことに100円しかない、百円だけある=中立的)。空欄の後に「ない」があれば、答えは「しか」です。
6. アドバイス、願望、初めての敬語
- 〜たらどうですか — 〜たらどうですか(提案)
- 〜たらいいですか — 〜たらいいですか(質問)
- 〜といいですね — 〜といいですね(願い)
- 〜ばよかった — 〜ばよかった(後悔)
- 文末詞:〜かな、〜かしら(女性語)、〜じゃないか。
初めての敬語セット(N4では識別レベル、N3で運用レベル):いらっしゃる(いる/行く/来るの尊敬語)、なさる(するの尊敬語)、ございます/でございます(ある/ですの丁寧語)、いたします(するの謙譲語)、お〜になる(尊敬)、お〜ください(依頼)。これらは聴解問題で、「誰が敬われているか(お客さんか、先生か)」を判断するヒントになります。
7. N4文の組み立て:星付き問題
4つのパーツ。N5と同じく、枠組みを見つけ、助詞で塊を作り、組み立てて、星の位置を答えます。N4では以下の知識が加わります:
- フレームの検索: 〜と思う(前は普通形)、〜そうだ(「そう」か「そうだ」か)、〜たばかり、〜ながら、授受表現(〜てもらったことがある)。
- 名詞化のつなぎ: 「の」「こと」は動詞を名詞に変えます。[泳ぐ][こと][が][好きで] のような断片を想定してください。
- 回答: 星の位置にあるものを答えることを忘れないようにしてください。
弟は __ __ _★_ __ います。
パーツ:① 聞き ② 音楽を ③ 勉強して ④ ながら
フレームの確認:「ながら」の前はます形 → 「聞き+ながら」。塊:[音楽を][聞きながら]。「勉強して」は「います」につながる → [勉強して][います]。組み立て:音楽を(②) 聞き(①) ながら(④) 勉強して(③) います。★は3つ目のスロット → ④ ながら。「聞きながら」が背景動作、「勉強している」がメインの動作です。
8. 問題1の練習
あの雲を見て。雨が( )そうだよ。
① 降る ② 降り ③ 降った ④ 降って → ②:見た目の「今にも〜しそう」=ます形+そう。
天気予報によると、明日は雨が( )そうだ。
① 降り ② 降る ③ 降って ④ 降ろう → ②:伝聞=普通形+そう。
寝る前に、明日の準備を( )。
① しておきます ② してみます ③ してしまいます ④ していきます → ①:事前の準備=ておく。
要約とポイント
- て形家族:ておく(準備)、てみる(試し)、てしまう(完了/後悔)、てくる/ていく(変化)、てある(意図した状態) vs ている(状態描写)。
- 推量グループ:ます形+そう(見た目) vs 普通形+そう(伝聞) — 最重要の引っ掛けポイント。
- 時間の表現:ところ3点セット、たばかり、ながら、間/間に、までに。
- 接尾辞:やすい/にくい、始める/出す/終わる/続ける、さ、まま、たがる(他人の欲求!)。
- しか+ない vs だけ;のに=「逆接(〜のに)」と「用途(〜するのに)」の使い分け。
- 敬語:いらっしゃる、なさる、ございます、いたします、お〜になる/お〜ください。
- 星付き:4つのパーツを並べてから★を埋める。
補足:その他のテスト範囲
上記で主要な文法を学習しました。以下は、N4リストに残っている表現です。試験前の最終チェックリストとして使用してください。
| パターン | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 〜ということ | 〜という事実(名詞化) | 彼が国へ帰るということを聞いた。 |
| 〜と言ってもいい | 〜と言っても過言ではない | この店のラーメンは日本一と言ってもいい。 |
| 〜そうに/〜そうな | 様態「そうだ」の副詞・形容詞形 | 子どもは楽しそうに遊んでいる。 |
| または | あるいは | ペンまたはえんぴつで書いてください。 |
| 〜づらい | 〜しにくい、気が進まない | その話はちょっと言いづらい。 |
| 〜ようにする | 習慣化する努力 | 毎日野菜を食べるようにしています。 |
| 〜ようになる | できるようになった | 日本語が話せるようになりました。 |
| 〜から作る | 〜から作られる(原材料) | 豆腐は大豆から作られる。 |
| さすが | 評判通り | さすが先生、何でも知っていますね。 |
| そんなに | それほど | そんなに心配しないでください。 |
| さっき | 少し前 | さっき駅で先生に会いました。 |